感想文 罪の声 潮田武士
罪の声 潮田武士
史実
グリコ・森永事件 怪人21面相 キツネ目の男 毒入りキケン食べたら死ぬで・・・社長誘拐 カーチェイス 女性や子供の声のテープ お菓子会社 食品会社
設定
ギンガ・満堂事件 くら魔天狗 キツネ目の男 毒入りキケン食べたら死ぬで・・・社長誘拐 カーチェイス 女性や子供の声のテープ お菓子会社 食品会社
京都のテーラー曽根の2代目主人の俊也が入院中の母に言われてアルバムと写真を探していた時に「黒革の手帖」と「カセットテープ」が出てきた。黒革の手帖は英文、難解でよくわからない。カセットテープには子供の自分が歌っている声・・・その後には「きょうとへむかって、いちごうせんを・・・にきろ、ばーすーてーい、じょうなんぐーの、べんちの、こしかけのうら」・・・
家族の真実と家族を守るために、調べなくては!行動に移す。
新聞社文化部であまりテンションのかからない日々を送っていた阿久津英士は年末の未解決事件特集で人手が足りないからとパワハラ社会部デスクにご指名で駆り出される。
いきなりの渡英、成果なし!で地道で丹念な取材がなされる。
その糸をじっと手繰り寄せる中盤は史実と設定がほぼ同じため、私は若干混乱してなん度も読み返したりググったりしながら進めた。
果てし無く先の見えない霧の中を蜘蛛の糸を手繰って切らないように、進んでいく新聞記者の根気と根性には頭が下がる思いがした。
子を持つ親として家族の真実を探し、核心に近づくにつれ怖れ、躊躇する俊哉にも共感できる。
ギンガ・満堂事件 くら魔天狗 の核心に迫る描写はこれが本当なんじゃなか?と思うほどの迫力でした。調べてきたとこを重ねて重ねて、たどり着いた「告白」。
すでに陳腐化し手前勝手な屁理屈を言っている内容も劇場型犯罪の元がこんなことから始まったのか!と丁度いい納得感がありました。
あれから30年以上経つんだなぁ
高校生だった。
事件の全体像は全然つかめていないのに、劇場型犯罪という言葉や、結局誰も殺していないとか、単にあまり聞いたことのない関西弁のイントネーションを面白がっていた。
サンデー毎日や朝日ジャーナルなんか読んだりして、わかったような気になっていた。
友達の弟が警察の録音回線に電話し、なん度もテープを聴いていたり
(当時より怖いと感じた)
和食レストラン○と、栗東インターなんかに妙に反応したりしていた若い頃を思い出したりした。あの事件を知ってる方も、知らない方にも!